リストラ、巨額の赤字、事業の売却……。ソニー、パナソニック、シャープといった、かつて全世界を席巻した日本の電機ブランドが、こんな状況に陥ることを誰が予想しただろうか。「メイドインジャパン」の代名詞である日本の電機産業が、苦難の時を迎えている。上海復旦大学企業管理科の主任、蘇勇氏に話を聞いた。
蘇勇:まず、大震災の影響と日本経済の長期低迷というダブルパンチがあったことを無視できないでしょう。これらは製造業の主力である自動車産業の電機産業に直接的な打撃を与えました。
次に、私の長年にわたる研究から見ると、日本の会社の大部分は護送船団式の総合商社モデルです。たとえばパナソニックやソニーの下には、多くの子会社、孫会社、下請けなどがあります。これらの小さな会社たちは一つの部品を専門に作っており、大企業に対して長期にわたり製品を供給してきました。このシステムの良いところは、専門的かつ精緻なものを手分けして作ることができることにあります。その一方、産業チェーンが非常に長くなり、反応が鈍くなる面もあります。たとえ上層部の意思決定が早くても、全ての産業チェーンの方向性を転換させるためには非常に多くの過程を必要とします。ちょうど渋滞時の車のように、最初の車の動きが少し遅れると、後続車はすぐに渋滞してしまうのです。いわゆる「大企業病」です。