ポイントは、企業が意思決定する際、常に市場を予測しながら行うことです。市場の変化を正確に見極め、コアとなる需要を取り巻くように生産計画を立てるべきでしょう。深圳にあるようなコピー携帯電話を見れば分かるように、チップやモジュールは簡単に入手できます。これらさえあれば、携帯などは簡単に作れるのです。今の時代において、コア技術はかつてほど神秘的で貴重なものではなくなりました。このことも、他の企業に簡単に追いつかれてしまった原因の一つでしょう。
日本の電機メーカーが「集団的沈黙」をしている頃、韓国のサムスンの躍進が非常に目立ってきました。サムスンはソフト開発に優れているわけではありませんでしたが、スマートフォンで優位性を出し、グローバル市場でトップに躍り出ることができました。ポイントは、サムスンが他者の力を借りることに長けていたことにあります。
たとえばアンドロイドやマイクロソフトのシステムを使ってスマートフォンを作ったことなどです。一方、資金力を蓄えた中国企業は、ブランドや企業を買収することに熱を挙げているだけで、技術や能力にお金を使っていないように見えます。他社のコアとなる部分を買い上げ、それを市場や自社に適応させる工夫をしていくことができるかどうかが、非常に重要な要素となります。没落と躍進が同時に起こるめまぐるしい時代、中国企業にとってサムスンの経験には学ぶ価値があります。