前代未聞の超高齢社会に突入しようとしている日本だが、もう一つの悩ましい問題が緊迫化している。インフラの老朽化である。
高度成長期に建設された日本のインフラが現在、続々と更新の時期を迎えている。長年にわたる財政難から各地では新プロジェクトが実施できず、インフラの老化現象が年々激しくなっている。使用期限が近付いている、あるいは期限切れとなったインフラが急増しているが、改修できない状況下、事故防止のために使用停止するしかなくなっている。
瑞信証券の調べによると、日本の橋梁等インフラ設備の耐用年数は15.3年で、2000年と比較して3.9年増加している。昨年4月までに通行禁止となった橋梁は216本で、3年前と比べて50%も増加している。さらに1658本の橋梁で通行制限が実施されている。日本の橋梁の耐用年数は60年で、今年275本が寿命を迎えるが、10年後にはその数は5倍に急増する。日本の戦後復興は高度成長期に集中しており、この時期、各地で大規模開発が行われた。多くの橋梁もこの時期に建てられた。
昨年4月、静岡県浜松市の天竜川に架かる「原田橋」に吊られたケーブルが老朽化で断裂しているのが発見され、通行禁止となった。この橋は浜松市と愛知県をつなげる唯一の道だったため、通行禁止になったことで市民の不満が噴出した。しかし自治体としては他の選択がなく、そうせざるを得なかったのだ。2007年8月1日、アメリカミネソタ州の大橋が突然崩落して11人が死亡、2人が行方不明、100人が負傷を追う惨劇が起こった。規模は小さいが、日本でも同様の事故が起きている。