それとは対照的に、大多数の中国の中小企業、特に沿海対外貿易加工型の企業と海外大企業との関係性は、利害に基づく単純な代理加工の関係でしかない。さらに生産される物も完成された製品である。海外企業も中国のこれらに企業に対し、新製品の研究開発に参加させようと思っていない。このような関係は対等ではないし、中小企業は常に搾取されがちとなる。両者の関係性も脆弱になり、少しでも市場が悪化すれば関係が決裂してしまう。
分野を集中させることで精密さが生まれ、精密さがあることで高品質の製品が作られる。日本の中小企業は、専門分野に集中して精密な製品を作り、それによって「メイドインジャパン」を世界的な存在にした。文化面から見れば、このような専門性に対する志向は日本民族が持つ「職人魂」と関係がある。伝統的な意味における「職人」とは、皇室や貴族に提供される日常生活用品を作る手工芸職人を指す。日本語では2種類の言葉で彼らを表現している。一つは「一生懸命」だ。一生をこの仕事に捧げるという意味で、労働への敬意が含まれる。もう一つは「一道一芸」である。始めたら最後までやり通すという意味である。