中国の8月の消費者物価指数(CPI)が反転上昇した一方で、生産者物価指数(PPI)は34カ月ぶりの低水準となり、物価が上昇に転じたと同時に、需要は依然低迷していることがわかる。アナリストは「CPIは既に底固めの時期にあり、経済が今後徐々に好転するにつれ、緩やかな上昇傾向が続くと見られる。2012年年内に追加利下げを実施するとの観測は大幅に弱まったものの、預金準備率を引き下げる可能性は依然ある。今後、金融政策は経済の安定的成長を維持し、雇用を保証するために引き続き微調整を実施するだろう」との見方を示した。10日付中国証券報が伝えた。
金融政策のツールのなかで、利下げは政策の緩和と方向転換を明らかに示唆するものであるが、預金準備率の調整は割りあい中立的である。2012年、中国人民銀行(中央銀行)は1カ月の内に利下げを2回実施し、預金準備率の引き下げの可能性を高めつつも、その後の新たな動きは見られない。CPIの底固めと反転上昇は、今後の利下げ機運が弱まり、観察期間に入る可能性があることを意味する。
物価の動向について言えば、現在、CPIが既に底固めの時期にある中、食品価格は季節要因による低下が既にひと段落しており、また、PPIは第3四半期には安定して上昇に転じる可能性がある。経済が徐々に回復するにつれ、CPIの緩やかな回復傾向は今後も続くと見られる。