そのため、物価が底固めの段階にある中、2013年に物価の上昇が金利政策に圧力をかけることを避けるため、中央銀行が短期間内に金利政策を実施するとの観測は弱まっている。また、一定の金利水準を保つことは、新たな投資がもたらす経済効果の低下、返済能力のないプロジェクトの増加を防ぐことにプラスとなる。
一方、預金準備率の引き下げの余地は依然残っている。一つに、外貨購入に伴う自国通貨の放出額の減少傾向が商業銀行の流動性に著しく影響している。また一方では、20%を占める大手商業銀行の預金準備率は、尚も2008年に世界金融危機が発生する前の水準を上回っている。現在、中央銀行は大量のリバースレポ取引を用いて、「雪だるま式」に銀行の流動性を調節しているが、実施の利便性も効果も預金準備率の引き下げに劣る。中央銀行が今、預金準備率の引き下げを望んでいないのは、2013年にインフレが再燃すること、不動産市場の規制政策に影響を及ぼすことを懸念しているからである。しかし、2012年年内に預金準備率が引き下げられる可能性は依然存在する。
「中国証券報」より 2012年9月10日