1990年代初頭~現在の20年間は、日本にとって、バブル崩壊後の「失われた20年」であったが、韓国にとって「日本に追いつけ追い越せ」の20年間だった。これが日韓間の経済関係のあり方を大きく変えたのである。
日韓間で領有権が争われている竹島(韓国名:独島)問題は日毎にヒートアップしている。この度、野田首相直筆の書状をも韓国政府は突き返している。その強気の態度は、外交上でも滅多に見られることではない。竹島の領有権をめぐる係争は一向に下火にはならないとはいえ、これほど強硬な韓国側の態度には一体どうした背景があるのだろう?
韓国がこの度、日本に対抗できるように大きな理由の一つが、その経済力だ。近年、日本経済の衰退、韓国経済の躍進により、韓国と日本の経済格差は縮小されつつある。また、貿易上の主導権も強くなっており、李明博(イ・ミョンバク)大統領も日本と張り合う気概を持つようになったと言える。
日本「失われた20年」、韓国「追いつけ追い越せの20年」
1990年代初頭~現在の20年間は、日本にとってバブル崩壊後の「失われた20年」であったが、韓国にとって「追いつけ追い越せ」の20年間だった。この20年間で、日本と韓国の国内総生産(GDP)の差は、11倍から5.3倍に縮小し、国民一人当たりの所得の差も4倍から2倍に縮小した。2010年、日本人一人当たりのGDPは42,000ドル、韓国は21,000ドルとなっている。
この度、世界を襲った金融危機は、日本にとっては泣きっ面に蜂と言ったところだが、韓国にとってはその国力を世界に知らしめる良いきっかけになったようだ。