また、注意すべきは、市場でのQE3実施に対する予測が高まっていたため、7月下旬の米ドル指数は2年ぶりの高水準を付けて以降、「前倒しで」低下し始めており、現在は78前後で、前回の高水準から既に6%低下していることだ。しかし、2008年11月と2011年11月にそれぞれ実施された1回目と2回目の量的緩和政策(QE1、QE2)に比べると、当時の米ドル指数の最大下げ幅(一時的)はいずれも18%前後だったことから、現在の6%の下げ幅はQE3による金融緩和期待をまだ上回っていないことを示す。当時、米ドル指数は72の低水準まで下がっており、これに基づき概算すると、米ドルにはまだ9%の下げ幅が残っている。
米ドルが「前倒し」でQE3期待を反映し始めたため、8月の人民元実質実効為替レートは前月に比べ低下すると見られ、輸出成長の圧力をやや緩和する可能性がある。「受身的な上昇」による実質実効為替レートの高水準の傾向は、ある程度是正されることが見込まれる。
「中国証券報」より 2012年9月18日