林国本
「北汽」、つまり北京自動車グループはこのところ、国産車の開発への取り組みに力を入れ始めている。「北汽」は「現代」など外国との合弁でいろいろな車種を生産してきたが、「北汽」の数多くのエンジニア、技術者にとっては、国産車を開発することがなが年の夢であった。なが年の合弁の中で、国内の自動車メーカーとして4位の営業収入を記録し、収益も全国でトップとなっていたので、経営的に見れば、上々と言ってもよかった。「北京現代」と「北京ベンツ」という2つの合弁会社を傘下に収めているので、収益面では順調そのものと言ってもよかった。
しかし、合弁という形をとっている以上、中国側にとっては税収、雇用、収益の面でメリットはあっても自主ブランドを持つには至らない状態にあった。
つまり、コアとなる技術は外国側のもので、中国側は販売、部品調達、製造のみにタッチするだけで、研究、開発はゼロに等しかった。「北汽」の役員はこんな表現で語っている。つまり、合弁ということは、15歳になった子供を中国に連れて来て育てるようなもので、自分の腹を痛めて生んだ子供ではない、ということだ。