人民元為替レート形成メカニズム改革を推進するには、まずは市場化によって基準値での価格決定メカニズムを整えることである。段階的な人民元安や切り上げ予想が強い中、人民元のスポットレートが基準値から大幅に乖離することも珍しくなく、価格決定における基準値の役割を改善する必要があり、人民元為替レート改革の今後の主要課題となるだろう。
次に、為替市場の参加者の形成を促進することである。スポット市場でストップ安とストップ高が繰り返されるのは、市場の成長と拡大が不十分なことによって、少ない資金でレートの動きが左右されてしまう状況が背景にあるからである。そのため、相対取引(OTC取引)を行うマーケットメーカー(値付け業者)をいち早く揃える事で、市場の参加者と取引商品の種類の多元化を進める必要がある。
他にも、今後、人民元為替レートの変動幅が更に拡大する可能性がある。しかし、国際市場の他の主要通貨から見ると、1日の変動幅を上下最大2%まで拡大すれば、概ね相場の変動に対応できる。変動幅の拡大よりも価格決定メカニズムにおける基準値の役割を改善することが重要である。
「中国証券報」より 2013年1月5日