厳冬の石島湾は雨や雪がたえず降りしきり、人の姿は見られない。原発の入居により、この地に神秘的な雰囲気がもたらされた。
海から500メートルも離れていない地点に、3台のタワークレーンがある。その下は、サッカーグラウンドの広さの、深さ18メートルに達する建設現場だ。石島湾の漁民は、この建設工事は世界初の第4世代原発技術の商業化に成功した、世界の注目を集める模範的プロジェクト「華能石島湾高温ガス冷却炉原子力発電所」であることを、想像もできないだろう。
これは中国の第12次五カ年計画が批准した、初の原発プロジェクトだ。本来は2011年に着工を予定していたが、福島原発事故の影響により中国の原発産業全体が岐路に立たされ、検討と選択を迫られた。
2012年12月21日の冬至、同プロジェクトが静かに建設を開始し、底部の第一層のコンクリート注入を完了した。しかし原発産業は、いかに人々の懸念を解消し、同産業に対する信頼を取り戻すかという、数多くの難題に直面している。これは福島原発事故の発生後、重要性を増している。