一方、マイナス要素も三つある。先ず、ユーロ圏経済には依然として不確定要素が立ちはだかっており、外需の成長を維持する原動力が足りない。ユーロ圏以外にも、主な経済先進国の財政、金融、雇用などの難題は未だに解決されていない。新興国の経済成長の安定性もまた、更なる観察の余地がある。
次に、従来の競争力の優位性が弱まり、新たな優位性が未だに確立できていない。土地、資源、エネルギー、労働力などの各要素のコストが上昇するにつれ、中国の従来の競争力の優位性は衰えている。企業は技術イノベーション、ブランドの創出と維持、輸出商品の品質向上、サービス体制の強化などの面において、未だに新たな競争優位を確立できていない。
最後に、国際競争における圧力が絶えず高まっていることだ。先進国は「再工業化」により、海外移転した産業を再び自国に戻すことに力を入れており、新興国は対外開放型の産業の発展を強化している。この二重の打撃を受け、競争圧力は高まり、貿易環境は緊迫化している。