両国の国内には大きな所得格差があるが、中国は寿命延長、基礎教育の拡大、国民への医療提供の面で、インドよりも成果をあげている。インドは世界最大の後発医薬品の生産国であるかもしれないが、その医療システムは混乱を極めている。貧民は低品質(時には搾取的な)私立の医療機関に頼らざるを得ない。正規の公立医療機関は数が不足しているからだ。中国政府の医療への投入はGDPの2.7%を占めているが、インドは1.2%のみだ。
民主的なインドは、教育および国民健康改善の面で、中国に劣っている。ここにはどのような難しい謎が存在しているのだろうか。これは謎とは言えないかもしれない。インドでは、民主的な参与、自由な言論と法治がすでに実現されている。しかし民主的な手段により、慢性的な栄養不良、乱れた医療・教育システムといった国内の根深い病気を治療するためには、長期的な協議、政治の介入、メディアの報道、民衆からの圧力が必要だ。
中国の政策決定は最高指導部によってなされる。中国の指導者は飢餓・文盲の撲滅、医療の不備の改善に取り組んでおり、その成果の多くは彼らによって得られたと言える。