数日前の中国人民銀行(中央銀行)による貸付引き締めの噂で激しく揺れた中国の金融市場は、中国経済に疑問を抱く学者やメディアを神経過敏にし、当時のリーマンブラザーズを発端とする世界的金融危機と中国を結びつけ、「中国経済が世界を深淵に引きずりこむ」といった大げさな見出しまで西側メディアにみられた。
また、一部の機関もマイナスの噂を助長させている。米投資大手のPモルガン・チェースのシャルマン氏は「ウォール・ストリート・ジャーナル」誌で、「個人向けローンが3~5年連続で経済成長率を上回ると通常金融困難が予想される。中国の個人向けローンは08年以降ずっと経済成長を上回り、対GDP比で200%以上に高まっている。当時の日米の危機前の状況に非常に似ている」と指摘。世界3大格付け機関の一つ、フィッチ・レーティングスも「中国の貸付規模は極限に達しており、これまでのように過剰投資の苦境から抜け出すのは難しい。中国は今後困難な時期を迎える」と話す。