6月最後の週、中国人民銀行(中央銀行)は定例の公開市場操作(オペ)の実施を全面的に見送り、満期を迎えるレポ分などを通じて差し引き250億元の純資金放出を行った。市場が徐々に人民銀のペースに適応し、上半期末という要の時期も過ぎようとしていることもあり、銀行間市場の資金需給状況は日増しに好転している。28日付中国証券報が伝えた。
25日に続き、人民銀は27日も引き続き中央銀行手形の発行、レポ取引及びリバースレポ取引による資金吸収や資金供給をいずれも実施しなかった。調査会社Wind資訊の統計データによると、今週は2つの28日物レポが満期を迎えるため、合わせて250億元を市場に供給できる。これにより、人民銀はオペを通じて4週間連続の純資金放出を実現した。6月第1―3週の純資金放出の規模はそれぞれ1600億元、920億元、280億元である。月別のデータを見ると、6月のオペの満期分は計3510億元で、合わせて460億元を吸収し、純資金放出の規模は3050億元に達した。
3000億元を超える公開市場における純資金放出と背反するのは、6月に銀行間市場で発生した流動性の逼迫である。翌日物、7日物の質権設定式レポレートの月間平均はそれぞれ6.73%、6.96%と過去最高の水準に達した。アナリストは「上半期末など要因を受け、6月の銀行間市場の資金供給状況は例年、季節要因による逼迫状態が見られる。加えて、4月から指導部が流動性管理を強化する措置を次々と打ち出しており、目標達成の期限を6月末に設定している措置も多いことから、金融機関による貸付需要の大幅な拡大は市場の予想範囲内である。例年と違うのは、人民銀が季節要因の影響を考慮して資金供給を確保するだろうとの固定的な見方を持っている金融機関は、今回の指導層の金融リスクの防止、金融機関のレバレッジ引き下げへの決意に対する観測が甘かったために、金利が異常に上昇するという状況を招いた」と指摘している。