幸運なことに、日本車もこの点を意識し、思考回路を変えようとしている。CRIDERの発売は、広汽ホンダが初めて真の意味でのA級車(ボディが4.3m-4.6m)を投入し、ホンダが15年間の中国事業をシフトした、節目となる出来事だ。ホンダはこれまで貫いてきたグローバルカー戦略を、現地市場に合わせた現地化開発に転換した。
CRIDERはなぜこれほどの低価格を実現できたのだろうか。カギとなるのはバリューチェーン全体の現地化だ。
コスト管理は日本メーカーの強みであったが、スポンジが吸収した水を絞りだすように、これまでの古い手段を繰り返すだけは、一定の効果は得られても、実質的な改善は難しい。日本車が必要としているのは、設計、部品の基準と調達の根本的な調整による、コストの大幅削減だ。
中国という個性の強いさまざまな消費者が存在する市場において、これは多くの消費者に喜ばれることだ。