クルーグマン氏は1994年にも、シンガポール経済や韓国など、アジアのその他の急成長する経済国に対しても、同じような評価を下していた。そのアジアの虎と呼ばれる新興国に対して下した判断は、現在の中国に対する判断と一致している。クルーグマン氏は、これらの国家はすべての潜在的な資本と労働力資源を使い尽くし、すでに大半の潜在力の発掘を終えており、常に崩壊する可能性があると主張した。
しかし事は彼の予想通りとはならなかった。シンガポールやその他のアジア諸国はその後も大幅な成長を見せ、現代技術の優勢を利用する能力もまったく遜色がない。しかしクルーグマン氏とその他の多くの西側諸国の人々は、(これらの国家の)生産効率が大幅改善された基盤を見て取れず、西側諸国の分析が東洋の環境に対しても正確であるという、間違った判断を下したのだ。