▽中国の電力網は楽々と夏をやり過ごす
中国では例年と異なり、猛暑による電力不足は発生していない。政府が夏季高温期の電力不足について重大警告を発しなかったのも、過去数年間で今年が初めてだ。国家能源局によると、上半期の国内の電力使用量は前年同期比5.1%の増加にとどまり、増加幅は前年の5.5%や前々年の11.7%を下回った。米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の13日付論評によると、中国経済の鈍化を受けて電力網は「楽々と」夏をやり過ごすことができるという。ここから中国経済の成長ペースの鈍化が電力産業に影響を与えていることがわかる。また石炭価格が過去数年間で低い水準にあることからも、国内の電力需要の低下傾向がうかがえる。
廈門(アモイ)大学中国エネルギー経済研究センターの林伯強センター長が13日に述べたところによると、経済成長ペースの鈍化の影響を最もはっきりと受けるのはエネルギー消費量の多い重工業で、全国の電力使用量全体の約6割を占める。一方、家庭用電力使用量が占める割合は14%ほどだ。米国と日本では家庭用電力の割合が約40%、韓国は中国と日本の間に位置する。中国国際金融有限公司がこのほどまとめた研究報告によると、工業用電力の使用量が低迷し安定しないことが、電力全体の伸びを低迷させる主要因だという。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年8月16日