▽発展途上国に不利なルール
TPPは、調印国が15年までに貿易のすべての関税を撤廃することを原則とする「高次元」の自由貿易協定だ。米国は今年10月の交渉妥結、協定発効を目指しているが、現在の交渉の進展状況から考えて、予定通りに関連の交渉を終えるのは非常に難しい。ある分析によると、交渉参加国の発展水準はまちまちで、利益も要求もそれぞれ異なる。米欧日などの先進国メンバーの目標は、発展途上国メンバーに工業製品やサービス市場を開放させることで、発展途上国メンバーの目標は、先進国メンバーに農業補助金を引き下げ農業市場を開放させることにある。先進国メンバーの間でも、一部の製品の市場参入の問題をめぐり対立がある。
日本企業は医療機器、コピー機、自動車などの分野で優勢にあることから、今回の交渉ではブルネイ、マレーシア、ベトナムなどにこれらの製品の輸入関税を撤廃するよう求めた。一方、これらの国は自国産業を育成したいと考えており、「自国産業を守る傘」である関税を守ることを求めた。