世界格付機関フィッチは15日、米国債格付を最上級の「AAA」から引き下げると警告を発した。フィッチはまた、「債務上限を巡る交渉が長引けば、世界準備通貨としての米ドルの信頼性が損なわれる。債務上限引き上げ問題について繰り返される瀬戸際政策は、米国政府政治制度の有効性に対する信頼を損ね、また米国経済政策の継続性と信頼性に対する信頼を損ねた。これは米国経済にマイナス効果をもたらすだろう」と指摘した。
米財務省の報道官はこれを受け、「信用格下げという危険な事態は米国の議員に対して、米国がデフォルトの危機に近づいていると警鐘を鳴らしている。フィッチの声明は、議会が直ちに行動に移り、デフォルトという危機を回避する差し迫った必要性を示している」と語った。しかし両党の議員は、これを聞き入れていないようだ。
米国の債務上限の引き上げ期限である17日まで、残すところ1日のみとなった。しかし米国の政治家は、全世界を最後まで「危険なゲーム」に付き合わせようとしている。現地時間16日午前の時点でも、両党は上限引き上げプランをまとめていない。
世界一の経済強国がデフォルトに陥ることは本当にあるのだろうか。米国の高官は「このような事は生じたことがない」と重ねて強調しているが、経済界の多くの関係者はすでに、起こりうる「壊滅的な結果」への対応に着手している。
ウォールストリートは米国政府に対して、「合意に至らなければ、未来の恐るべき世界に向かう片道列車に全員が乗ることになる」という情報を発した。米国の「火遊び」に対して、アナリストは「インドネシアやメキシコなどがこれほど深刻な債務危機に直面すれば、とっくに米国の吐く唾の中に埋もれているだろう。しかし米ドルにより世界経済を支配した米国に対して、世界は手をこまねいて見るほかない」と溜息をもらした。しかし米国は危機に対して免疫を持っているわけではない。多くの国際メディアにとって、米国の世界的な名声と政治的信頼は、崖っぷちに向かう危機の中で損なわれつつある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年10月17日