市場における資金の金利が上昇し続けていることを受け、10月29日と31日、中国人民銀行(中央銀行)は公開市場操作を通じて、リバースレポ(買いオペ)を実施して市場に資金を供給し、資金需給状況の安定維持に向けた政策実施の意図を市場に伝えた。アナリストは「このところの通貨当局の動きを見ると、人民銀は依然として、6月の資金逼迫問題発生後の通貨調整の方針を維持している。すなわち、市場の流動性の安定という大局を維持するのと同時に、市場の各方面に対し、流動性管理を強化するよう後押しすることに力を入れることで、流動性緩和に対する観測を根本的に転換させる方針である」と指摘する。1日付中国証券報が伝えた。
10月からの人民銀の公開市場操作を振り返ると、10月初頭、銀行間市場の資金需給状況が連休明け後に急速に緩和に向かったことを受け、人民銀はすぐさま市場の流動性を規制するため、数カ月続けていた定例のリバースレポの実施を見送った。同じ頃、中国の9月の消費者物価指数(CPI)が前年同期比で大幅上昇したこと、月間新規外貨買い入れ額の強力な伸び、貸付の拡大に対し慎重な態度を取るとした人民銀の発言などを受け、人民銀の通貨政策の基調がぎりぎりの流動性維持であるとの市場の見方は広まった。