このような料理をうまく作ることが、日本料理の料理人にとって最大の試験になっている。しかも、お客に食べ物を提供するだけのことが一つのプライドとなっているのだ。美食の定義は人によって違うが、料理人によって同じ魚と米を使っても出来上がってきた寿司は違う。ある意味から言えば、高級寿司を購入することは、寿司を作った人がこの技を獲得するために使った時間をも購入することだ。一人の寿司職人が独り立ちするには少なくとも10年間の修行が必要だ。
たくさん触れることが、寿司を理解するために最も大切で確実な道だ。この道30年以上の寿司職人であるKobayashi Tomohikoさんは「寿司の良し悪しは作り手の経験による。美味い寿司のためには何度も試食することです。何がいいかわかれば、体も心もこの点を会得できます」と語る。