投資する価値のある第四の分野は輸入代替産業。鄭新立氏によると、中国の輸入額は毎年1兆ドルを上回り、そのうちの多くの製品が国内で独自に生産可能で、コストも安い。しかも現在の市場のニーズをみると、企業はコストさえ抑えれば、国内市場を独占できるだけでなく、輸出も考えることができる。中でもそれが最もはっきりしているが石油、化学工業製品で、中国が輸入する石油、化学工業製品は年間で各2千億ドルにも上る。石油資源は不足している一方、中国の石炭液化油技術はかなり成熟している。液化石炭という輸入石油よりもコストの安いエネルギー産業の発展を通じて(液化石炭が)輸入石油の代わりになれば、今のエネルギー構造を変えられるかもしれない。
もう一つの代表的な輸入代替産業はチップ産業だ。鄭氏によると、中国は毎年チップを2千億ドル近く輸入している。国内企業が高精度のチップを独自に開発・生産するのはまだ困難だが、携帯電話向けチップなど一般的なチップの自主設計や加工産業は大々的に発展させる価値がある。サムスン電子を例にとると、近年同社は携帯電話向けチップの売上を伸ばし、その売上高はすでに中国の輸入額に相当する。