◆伝統メディアに打撃
米国のラジオ界には、「車輪と乾電池がラジオを救った」という名言がある。1960―70年代にテレビが大幅に普及し、米国のラジオが崖っぷちに立たされた。しかし車輪と乾電池は、ラジオの携帯性のメリットを示し、生存を維持させた。ラジオは今日、3大メディアの一つとなっている。今日の中国では、自動車保有台数が増加を続け、生存が危ぶまれていたラジオが再び「金のなる木」になっている。「車輪がラジオを救う」という神話が、再び上演された。
中国国家統計局のデータによると、2012年の中国マイカー保有台数は前年比18.3%増の9309万台に達した。このペースを維持し続ければ、2013年末の保有台数は1億1000万台以上に達するだろう。自動車は大都市で購入制限、交通制限を受けているが、保有台数は一定期間内に大幅な増加率を示す見通しだ。inkaNet3.0などの車載ネットワークの発展方向を示せるシステムの登場により、自動車は最大のモバイル端末になりつつある。これと同時に、伝統的なラジオは車載ネットワークのマルチメディア化から強い圧力を受け、生存の危機に立たされようとしている。
自動車はラジオを救ったが、自動車は将来的にラジオのビジネスモデルを覆す張本人となる可能性が高い。伝統的なメディアも、変革を迎える可能性がある。その日は我々の想像より早く訪れるかもしれない。
「中国証券報」より 2013年12月22日