日本人は消費増税に非常に敏感で、根深い反感を持っており、短期的に日本経済に影響をもたらすことは不可避となっている。これによるダメージも侮れない。2013年下半期より、消費増税による損失を減らすため、日本では大規模な駆け込み消費の現象が見られた。住宅や自動車などの耐久消費財の販売量が、大幅に増加した。これは消費増税後、一定期間に渡り消費が低迷することを意味する。政権与党の自民党と日本政府はこの点を意識しており、景気回復の終了を防止する5兆5000億円の緊急経済対策を打ち出した。しかしこの政策の内、消費促進に直接用いられる、低所得層への補助金は11.8%の6500億円のみで、その他の資金の主な用途は公共投資や復興再建などだ。日本政府のこの消費刺激策は、奏功が極めて困難だ。
この20年間に渡り、公共投資拡大による景気刺激は、日本の経済政策の一貫した手法となっている。しかし経済が成熟段階に入ると、土木建設を中心とする公共投資の乗数効果は次第に失われ、消費けん引効果が薄れる。推算によると、消費増税後に最も大きな影響を受けるのは、年収700万円以下の世帯だ。しかし今回の補助金の支給対象は、主に年収200万円以下の世帯で、最大の比率を占める200−700万円の世帯はいかなる補助も受けられない。アベノミクスの効果も、これにより大幅に割り引かれることになる。