澤田真治郎氏は襟を正して座っていた。澤田氏は中国日本商会の会長、日本最大の商社の一つである三井物産の中国総代表で、6月18日に「中国経済と日系企業白書」(2014年版)を発表した。中国日本商会は2010年から同意見書を毎年作成しており、今回で5回目の発表となる。同白書は中国経済の他に、中国各地の日系企業が直面している問題、これらの問題の解決に向けた提案をまとめている。
澤田氏は同白書の内容に自信を持っているが、国内外の40数社のメディアに囲まれ、中日の政治問題、特に中日の政治関係の経済への影響などについて質問されると、やや頭が痛そうな様子だった。
澤田氏の隣には、中日の政治・経済関係に詳しい中国日本商会副会長兼調査委員会委員長の田端祥久氏がいた。田端氏ならば、記者会見の質問により良く対応できる。