中国の電子商取引最大手のアリババ集団は昨日、香港でIPOロードショー(投資家説明会)を行った。その際同集団の馬雲会長は、「香港の資本市場を尊重する。香港がアリババを失ったのではない。アリババが選択のタイミングを間違え、アリババが香港を失った」と語った。アリババは当初、香港への上場を目指していたが、同会長が求める「(経営陣に実質的な議決権を与える)パートナー制」が香港取引所から認められず、ニューヨーク市場に変更。外部からは香港取引所が古い規則にこだわったため、今回の超大型IPOを失ったとみられている。
香港ロードショーに馬雲会長が予定外の参加アリババは9月9日から、アメリカとヨーロッパに分けてロードショーを開始していた。この日の香港が最後の会場となった。当初のロードショーの計画では、馬雲会長は最初のニューヨークだけに出席する予定だったが、突然、会場のリッツカールトンホテルに姿をあらわした。同会長は、IPOに関連する問題については一切ノーコメント。ただ「香港取引所が上場規則を変更していれば、香港でIPOをしたか」という問いに対しては、「香港取引所が1企業のために規則を変更することがないことは完全に理解している。香港の上場規則と資本市場を尊重する」との考えを示した。また同会長は、「中国で誕生した国際企業であり、ニューヨークで上場後は欧米での事業展開を加速する。しかし中国の企業であるため、香港の中小企業や若者たちへの支援を続けていく。香港の将来はもっと素晴らしくなる」と語った。