あるデータのよると、昨年のアリババ・マーケットでの総取引高は2960億ドルだった。これはアマゾンの1210億やイーベイの833億3000万ドルを大きく上回るものだ。
しかし年間の売上高という短期的な指標でみると、アリババは2960億ドルのマーケットに対して84億6000億ドルしか売り上げて上げていない。これはアマゾン・イーベイよりはるかに少ない額だ。ただ長期的な観点からは、アリババの集客力は両社の合計より大きなものとなろう。その訳は、アリババを買うことが中国を買うことになるからだ。同社の中国電子商取引市場における足元のシェアは約8割。
現在、中国が製造大国から消費大国に転換中であることは誰もが知っていが、問題はその市場を誰が握るかである。これまで多くの海外の物流ネットワーク企業が参入を試みたが、ほとんどが失敗している。ウォルマートしかり、カルフールしかりである。 アリババの優勢性は電子商取引にネット(オンライン)金融を結びつけた点にもある。同社には、決済サイトの「支付宝」のほか、「余額宝」と呼ばれる資産運用のサイトもある。実際、これは金融業務である。中国以外の国なら違法金融として訴えられ、処罰を受ける性格のものだ。