国連の基準に照らすと、65歳以上の人口の割合が7%を超えると高齢化社会になる。統計データによると、2013年末現在、中国における65歳以上の人口はすでに1億3200万人を超え、全人口の9.7%を占め、尚且つ毎年1000万人のペースで増加しているという。2053年には中国の高齢者人口がピークの4億8700万に達し、全人口の35%を占めると予想される。このことは中国人の中で3人に1人が高齢者だということを意味する。
社会消費構造は潜在的消費市場を形作る。高齢化社会の産物である「シルバー経済」は現実の民生問題解決に役立つのみならず、経済構造を調整し成長を促す新たな注目点にもなり得る。それを21世紀の新興産業に喩えても決して過ぎたることではない。
商機を敏感に察知する市場筋は、「シルバー経済」には少なくとも4つの成長ブロックがあると分析している。その一は健康サービス業だ。米エコノミストのポール・ゼイン・ピルツァー氏は、「健康産業が急速に成長する勢いは阻まれるものなく、いよいよIT産業に取って代わり世界経済の成長をけん引する新エンジンになる」と断言した。一部の先進国・地域では、健康サービス業はすでに現代サービス業の柱産業となっており、巨大な経済・社会利益を生み出している。データによると、米GDPにおける関連産業のウェートは17%を超え、その他の経済協力開発機構の国々もほぼその割合が10%前後になっているが、中国はわずか5%前後だという。中国政府の長期プランにおける中期目標は、2020年までに当該産業がライフサイクル全体をほぼカバーし、総規模が8兆元になる、ということだ。