3つ目は従来の人口ボーナスが次第に減り、資源環境による束縛が強まりつつあること。中国の経済成長構造に歴史的変化が生じている。現在、中国の東部発達地域では労働力不足の現状が一層表面化し、「ルイス転換点」に差掛かり、外向型経済をけん引してきた従来の人口ボーナスが次第に少なくなっている。それに相応して、投資・外需を過度に頼る成長モデルによって、経済がエネルギー・資源・環境の制約を受ける傾向がますます強く、重要な鉱産物資源の対外依存度がますます高まり、生態環境の負荷も拡大しつづけている。限界供給の増量はもはや経済の高速発展という従来の路線を支えきれなくなっている。このことも中国経済が次第に新しい安定成長区間へ回帰することを客観的に喚起している。
4つ目は「中所得国の罠」を乗り越える試練に直面し、改革のメリットを一層力強く出すこと。2013年、中国1人当たりのGDPが6000ドルを超え中所得国の列に加わった。今は「中所得国の罠」を乗り越えるか否かという歴史的肝心な時期に差し掛かっている。今後は高速成長という経済発展モデルを徐々に調整し、新たな成長パワーを見出し、民生の保障・改善に努めることによって改革のメリットが国民全体に行き渡るよう取り組む必要がある。