▽世界の家電市場からの撤退も
ソニーを損失の泥沼に引き入れたのは、同社がかつて核心業務として誇っていた核心業務の家電製品である。ソニーのテレビ業務は2012年、9年連続の赤字となる696億円(約6.5億ドル)の損失を計上した。携帯電話業務の損失は972億円(約9億ドル)だった。ゲーム機とカメラ業務の貢献もわずかで、全体を支える力にはならなかった。
家電製品はすでにソニーの負担になっていた。ソニーの損失は過去10年で合計80億ドル近くにのぼるが、この局面はなかなか転換できずにいる。同じ外資の家電メーカーであるフィリップスは最近、80年の歴史を持つ家電業務からの撤退を決めている。オーディオビジュアルやマルチメディア、関連パーツ業務を現金1.5億ユーロ(約2.018億ドル)で日本の船井電機に売却し、フィリップスは医療設備と照明製品の専門への転向をはかっている。
注意すべきなのは、PC業務を売却したのに続き、ソニーが、同社のシンボルでもあったテレビ業務の分離という重要な決定を行ったことである。今年年初、ソニーはテレビ業務を分離して完全子会社として運営することを決定した。ソニーのこの措置は、テレビ関連資産の売却の伏線となる可能性がある。