記者:APECの各地では近年、各種の自由貿易体制が大量に生まれ、多様な規定や基準が導入されている。このことはアジア太平洋地域の自由貿易にどのような影響をもたらすか。今年のAPEC会議でも、地域経済一体化という議題の下での重点的な推進対象として、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の実現の加速が取り上げられる。FTAAPの設立にはいかなる意義があるか。
張建平:FTAAP設立の意義はまず、こうした分散状況をなくすことにある。さらには、より広範囲な協力プラットフォームを通じて、アジア太平洋地域の各エコノミーによる資源配置の改善や協力展開を助け、世界におけるアジア太平洋地域の競争力を高めるねらいがある。
FTAAPは、地域内のすべての二者間・三者間の大型FTA(自由貿易協定)を包括するものとなる。とりわけTPPとRCEP(東アジア地域包括的経済連携:ASEAN10カ国を発起者として中国・日本・韓国・オーストラリア・ニュージーランド・インドが加わった「10+6」モデル)は、アジア太平洋地域のすべての経済体を地域経済の一体化プロセスに融合させつつあり、アジア太平洋地域の協力の建設的なパートナーシップの一つとなっている。