「Aa3」は、最高クラスを4つ下回る格付けだ。ムーディーズは日本の長期金利と株式市場の安定性については言及しなかったが、格下げには次の理由がある。
(1)衆院選前に、国民の日本の深刻な財政状況に対する警戒を促す。
(2)国際社会に対して、日本に投資するリスクが中国や韓国を上回ることを伝える。
(3)日銀は毎月、新たに発行した国債とほぼ同量の国債を吸収しており、市場の混乱を回避する狙いを明らかに示しているが、投資家は最終的に日本国債を手放さなければならない。ゆえに海外のみならず、日本政府と日銀も、日本の長期金利の不安定性を懸念している。
(4)安倍政権の消費増税先送りが、日本の財政健全化に対する海外の信頼を損ねた。国際社会は日本に対して、明確かつ詳細な財政健全化の目標と計画を制定するよう促す必要がある。