しかし全体的に見れば、我々の自主的イノベーション能力はまだまだと言える。世界の先進レベルと比較すればその差は大きい。特に企業の自主的イノベーションがそうだ。大きな影響を与えられるようなハイテク製品はまだ多くない。世界第二位の世界大国という地位に相応しくない状況である。我々は、ファーウェイやZTE、レノボ、アリババといった国際的影響力を持ったイノベーション企業がもっと増えて欲しいと願う。国際市場における中国ブランドの知名度と影響力がますます大きくなって欲しいと願う。中国はビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズといった、世界をひっくり返すようなイノベーティブな人材を何人も排出することはできるだろうか。
中国人は、イノベーティブやクリエーティブの遺伝子に事欠いたことがない。イノベーションは中華民族の代表的な天賦といえるものだ。イノベーティブになる自信を持つ十分な資格があるのだ。もし、前回の工業革命において我々が西洋の先進国家に大きく遅れを取ったとするのならば、昨今のウェブやデジタル技術に代表される情報技術の発展は、彼らを凌駕する得難いチャンスと考えるべきだ。第一に我が国は、14億近い人口を抱え、ネットユーザーは6.5億人、スマホユーザーは5.6億人いる。このような規模の国家は他に存在しないだろう。そして彼らのニーズは、イノベーティブ企業の巨大な牽引力となり、それに関わる大規模な数の人材は、イノベーションを起こすためのかけがえのない重要な資源となる。