商務部外資局の唐文弘局長は昨日、昨今の“外資撤退ブーム”論について「中国から撤退する企業の多くは投資額が小さく、そのほとんどが(重要な事業を行っていない)“空き家企業”である。今年1~4月の中国の海外直接投資(FDI)受入額(実行ベース)は2736億1000万元と、前年同期比11.1%増加している」と語った。
今年1~2月、パナソニックのテレビ生産停止、マイクロソフトの旧ノキアラインの停止、シチズンの広州工場閉鎖が続いたことを理由に、海外の一部のマスコミは“中国から外資が撤退している”と喧伝した。商務部はこうした報道に対し4月に反論。そして昨日(5月12日)、唐局長が再び反論を展開した。
同局長は「撤退したのは小規模な企業ばかりである。売上高トップ1000の外資(2010年)の中で撤退したのはわずか19社しかなく、そのうち赤字が原因の撤退したのは2社。また10社は株式譲渡によって国内企業に転換したためで、実際には事業を継続している」と指摘。
商務部の統計では、1~4月の世界上位10の国・地域からのFDI受入額は423億9000億ドルと、中国のFDI受入額全体の95.3%を占め、前年同期比で12%増加しているという。
また注目すべき点として、1~4月に外資企業の新設と新規の外資契約額が増えている点を挙げた。前者が7790社と前年同期比17%増、後者が6219億人民元と51%増となっている。これに関連して中国国際経済交流センターの徐洪才部長は「『一帯一路』戦略がプラスに影響している。この戦略によって外資の投資意欲が高まり、中国経済の先行きについても強気で見ている」との見方を示している。