米国法人のBYDモータース・アメリカのBrendan Rileyバイスプレジデントは、「これまで多くの中国製品は安かろう悪かろうで知られていた。当社は高品質・高技術という、メイド・イン・チャイナの新たなイメージの樹立に取り組んでいる」と述べた。
中国企業が米国の取引先の信頼を獲得するのは、当然ながら順風満帆とはいかない。アンテロープキャニオンの運輸部門の配車担当者は、記者の取材に応じた際に、「入札が開始されたばかりのころ、私は比亜迪のEVバスの導入に反対した。同社のEVバスの価格は、伝統的なガソリンバスの2倍弱で、しかも中国製品の信頼性も疑問だった」と述べた。
取締役会が比亜迪の2台のEVバスを導入し、試験運行を実施することを決めると、配車担当者である彼は2台の運行状況に注目した。試験運行から1年以上が経過すると、彼は比亜迪の製品に「降参」した。「比亜迪の初期の調達価格は伝統的なバスを大幅に上回るが、電気がガソリンよりも割安で、メンテナンスにも強いことから、日常的な運航コストは伝統的なバスの3分の1ほどだ。米国のバスは少なくとも12年間運行を続けるため、総合的な費用はむしろ下がっている。また2台のバスを1年余り試験運行したところ、故障はほとんど発生せず、伝統的なガソリンバスに完勝した」