洗浄便座に続き、日本で物を買いあさる中国人観光客の注目を集めているのが日本製の「神薬」だ。別に神秘的なものではなく日本で良く見られる家庭用常備薬なのだが、ネットユーザーの口コミを経て「神薬」にまつりあげられた。 ネットで検索すると、数多くの「日本に行ったら買い忘れてはいけない家庭用常備薬」や「日本で必ず買うべき××神薬」などのタイトルを探すことができる。いま中国で日本の「神薬」がかなり注目されていることが分かる。
では、日本の常備薬は本当に「神」なのだろうか。服用法をネットでいちいち調べる必要があるにも関わらず、どうして日本の薬を買いあさろうとするのだろうか。逆に中国国内の常備薬市場はどうして日本に「神薬」の座を明け渡さなければならなかったのだろうか。
【中国人が買いあさり、日本企業が大儲けする】
中国人観光客による日本の「神薬」ブームのすごさは、日本の製薬会社の売り上げデータが雄弁に物語っている。 小林製薬は7月1日、一部の商品が中国のネット上で「日本に行ったら必ず買うべき常備薬」として紹介され、訪日中国人観光客がまとめ買いに走ったことから、同社の第2四半期の売上額が前年同期比の5倍以上に達したと発表した。 小林製薬が生産する「神薬」のうち、傷口に塗ると皮膜となって細菌の進入を防ぐ「液体絆創膏」、皮膚の赤みを改善する「角質軟化膏」、額に付けて発熱を和らげる「熱さまシート」などが大幅に売上を伸ばした。 記者が知る限り、小林製薬のみならず、いくつかの製薬企業も好調だ。