香港「南華早報」のウェブサイトは8月26日、「世界的にイノベーティブなリーダーシップを取り始めた中国」と題した記事を掲載した。著者は中欧国際工商学院の客員教授であるブルース・マッケオン氏。以下は全文。
中国はもはや世界の工場に留まることはない。中国はいま、世界のイノベーション分野におけるリーダーになりつつある。私と同僚の葉恩華は、中国で3年間の実地調査を行い、その結果確信した。中国の民間企業はグローバル企業の能力を備えている。彼らは、人々が注目するイノベーション革命の最前線にいる。この革命は3段階に分けられる。第1段階は、「単純な模倣」から「状況に応じた工夫」への変化。第2段階は、「フォロワー」から「グローバルスタンダードの制定者」への変化。第3段階は、「新資源の追求」から「新知識の追求」への変化。彼らは、より良い管理理念と手段を開発し、強い競争力をつけている。中国ブランドも世界に拡がろうとしている。
彼らはどうやってそれを成し遂げたのか。現在、「中国政府は過度に政府に依存している」という習慣的な認識が存在しているが、我々が調査した企業はそんなふうではなかった。中国政府は長年、国家イノベーション戦略として一貫して資金を投入し、工業団地および大学と研究機関による科学技術インフラ施設を建設してきた。また、日に日に増加する科学者やエンジニアのチームを作り上げてきた。これは起業したばかりの企業にとっては貴重な資源となる。しかし実際は、中国企業はイノベーティブなプロセスに対する研究開発に対し、さらに多くの資源を投入している。研究開発費総額はすでにアメリカの42%に上る。中国のGDP規模からみればつり合いの取れた金額だ。