さらに重要な要因として、中国市場自体の特徴が挙げられる。大規模、高度成長、多様化。最も重要なのは、最初の段階で低コスト製品の需要があったことである。中国の企業家は、度重なる経験からイノベーションを学んだ。第2段階において、要求が高く、目の肥えた、日増しに豊かになる中国の消費者と大規模な政府プロジェクトが、企業の急速な発展を促している。中国市場は競争力のあるイノベーティブな行為を促す「培養器」の役割を果たしている。優勝劣敗の競争が、顧客志向に沿ったデザインと生産をする企業を大量に生み出している。企業のより良い動力源は、市場がもたらしているのだ。
発展の第3段階において、より多くの企業が政府の奨励する「走出去(海外発展)」政策によって海外市場を目指している。今では先進国市場への参入へという目的に変わってきている。中国企業は国内市場から利益を獲得し、銀行から資金を調達している。彼らは手元の資源を利用しながらブランド面やマーケット面、技術面の未熟さを補ってきた。あるいはこれまでの発展成果を使って補ってきた。そして、ハイテク技術が集積された欧米企業や技術センターを買収してきた。知識型イノベーションに注目する中国企業は、際立ったイノベーティブな成果を使って世界に挑戦する力を持とうとしている。