■市場ルール確立、「越権行為」が姿を消す
国務院は「市場公正競争の促進と市場秩序の維持に関する意見」で、資源の配分において、「市場の役割を充分に発揮させる」ことを明記。法整備が進むなか、政府の認許可権限が最大限に縮小される。法律で禁じられていない市場行為は認められる。一方、法律で認許可権が与えられていないことに関し、政府部門が「自己判断」で決めることはできない。
マイクロソフト・グレーターチャイナ地区のラルフ・ハウプターCEO(最高経営責任者)は行政手続きの効率化を実感。「上海自由貿易区で、届出証書の取得に3日間しかかからなかった」と話す。13年9月、中国(上海)自由貿易試験区が発足した当日に、マイクロソフトと百視通の合弁企業、上海百家信息技術発展有限公司が第1号として事業許可を取得。「マイクロソフトはここ20年間、中国で事業を展開してきたが、もっとも感慨深い変化は、市場の開放に対する政府の姿勢と、行政手続きの効率の向上だ」と、ハウプターCEOは語った。
ウォルマートも同様だ。2015年に広東省で店舗を新設する際、審査手続きの所要期間は前年に比べ半分も短縮されたという。付小明・シニア副総裁によれば、向こう3年間にわたり、中国市場で新たに115店舗を増設する計画。上海、深セン、長沙、武漢などの1線・2線都市で店舗を増やすほか、新興都市でも市場開拓を強化する方針だ。