日本企業の海外投資もまだ国内の経済発展には見返りを与えていない。日本のアジアに対する直接投資額は2012年の2兆7千億円から2013年には3兆9千億円、2014年には3兆8千億円と拡大しているが、これらの投資とそれによって利益を上げた大企業は、日本国内の経済の上昇を導くには至っていない。国際社会では、日本が中長期的な経済失速のリスクに直面しているとの見方が高まっている。
日本は2014年4月、消費税の8%への引き上げという第一段の増税措置を打ち出し、2四半期連続のマイナス成長を呼び込んだ。昨年第4四半期と今年第1四半期のGDPはプラスに転化していたものの、第2四半期の日本のGDPは年率換算で再び1.2%のマイナス成長に落ち込んだ。GDPに占める割合が高い国内の個人消費(60%)と企業投資(15%)はいずれも前期比で減少しており、日本経済が直面している下方圧力の大きさがわかる。消費税を10%に引き上げる第2段の増税措置は2017年に延期されたが、日本がいかに財務状況を改善するか、とりわけ2020年に財政収支の均衡を実現するという約束をいかに実現するかについては、まだ回答がない。それどころか日本の与野党の議論は国民の食料品税負担の軽減などに終始しており、度重なる増税で消費がさらに落ち込み、最終的に財政緊縮政策を余儀なくされるのではないかという国際社会の懸念は高まっている。