「爆」の字で中国人観光客のあらゆる特徴を網羅できるわけではない。訪日観光客の多くは普通の人だ。昼ご飯を卵1個とインスタントラーメンだけで済ませる観光客もいれば、ぜいたく品には目もくれず、低価格・高品質の日用品ばかり買う人もいる。早起きして朝市をめぐり、電子辞書「快訳通」を駆使して値切る人もいる。……こうした人々も訪日中国人観光客を構成する一部分だが、日本のメディアはあまり注目しない。
「メディアが伝えるバブルぶり」が作りだした印象は、崩壊した後に事の真相それ自体を損ないやすい。日本人の中には、中国人観光客に貼り付けたバブルのレッテルを考え直している人もいる。日本の自民党の二階俊博総務会長は中国メディアの取材に答える中で、「『爆買い』という言葉はあまり上品でなく、中国人観光客を形容するには不適切だ。『爆買い』に代わるもっとよい言葉を探さなければならない」と述べた。東京の街を歩く普通の人々も、「(爆買いという言葉は)目についた物は何でも買うという感じがして、印象はあまりよくない」といい、日本紙「東京新聞」の社説はずばり、「この『爆買い』という言葉ですが、どことなく中国への『上から目線』を感じます」と伝えた。
お隣の韓国でも「ヨウカー」という言葉が流行している。中国語の「遊客」(観光客の意味)と同じ発音で、中国人観光客を指しており、報道の中でよく使われ、注釈なしでニュース報道によく出てくる。爆買いとヨウカーを比較してみると、ヨウカーの方が客観的だ。中国語を直接訳したもので、わかりやすく受け入れやすい。韓国のサイトでこの言葉を検索すると、どうやって中国人観光客を呼び込むかといった情報が出てきて、中国人観光客のリピート率の低さの原因について検討するものばかりだ。