中日交流に長らくかかわる小野さんは、「日本人も30年余り前には現在の中国人と同じく『爆買い』していたと語る。その根本的な原因は、自分がいったい何が欲しいのかがわからなかったためにほかの人が買うとそれにつられて買ってしまうという人が相次いだ。生活が豊かになって、日本人は情操教育や趣味を重視し始め、自らの『こだわり』で消費ができるようになった。中国人も同じ道をたどるはずだ」と語る。
日本内閣府がかつて行った「国民生活に関する世論調査」では、「今後、心の豊かさと物の豊かさのどちらを重視するか」との質問に対し、1970年代前半までは「物の豊かさ」を選ぶ日本人が多かったが、1979年に「心」と「物」がほぼ同数となった。1981年以降は、「心」を重視する人の方が多くなった。中国でも、日本と同じ軌跡がたどられ、心の豊かさを重視する人が増え続けていくとする分析がある。
中国人による日本での大量購入は2008年頃始まった。2009年、フジテレビの番組で初めて「爆買い」という言葉が使われた。この言葉は2010年には日本テレビとテレビ朝日にも使われるようになり、ここ2年は中日メディアの頻出単語となった。孫氏は、日本市場は中国人消費者を引き付け始めたばかりであり、飽和状態にはまだほど遠いと指摘する。「爆買い」は消費傾向の表面的な現象にすぎない。日本は現在、歌舞伎などの異文化産業の開発や整理を進めており、中国人観光客の内的な需要を満たそうとしている。孫氏によると、「爆買い」がいつ終わるかは中国にかかっている。中国企業ががんばれば、中国は国内市場の消費環境を整えることができるはずだという。(編集MA)
「人民網日本語版」2016年2月5日