アジア開発銀行(ADB)は30日に発表した「2016年アジア発展展望」リポートで、アジアの発展途上国の2016-17年の経済成長率は5.7%となる見通しで、2015年の5.9%を下回るとの予測を示した。
リポートは、南アジアの経済成長率は2015年の7%から6.9%に小幅に低下する見通しだが、2017年はやや持ち直すと予想。東南アジアについては、2016年が4.5%、17年が4.8%と、15年の4.4%から上昇するとみている。
アジア開発銀行は、アジアの発展途上国は改革を通じて生産性の向上を図るべきと指摘。インフラ投資、マクロ経済管理の健全化により成長潜在力を底上げし、世界経済の変動による影響を克服すべきとしている。
同行の魏尚進チーフエコノミストは、「中国経済の成長鈍化と世界経済回復の不均衡がアジアの経済成長の足かせになっている。しかし、このような圧力に直面しているものの、世界の経済成長へのアジアの寄与率は依然として60%以上となる」との見方を示した。