中国企業の海外進出①「1.0時代から4.0時代」に突入
中国企業の海外進出①「1.0時代から4.0時代」に突入。
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10万トン級の貨物船が数隻埠頭に停泊している。色とりどりのコンテナが大型クレーンで次々に釣り上げられる。ギリシャ最大の港・ピレウス港の忙しくにぎやかな様子である。この港から数十キロのアテネ市内では8日、チプラス大統領をはじめとする中国とギリシャの政界・ビジネス界の代表200人余りが、中国遠洋海運集団によるピレウス港湾管理局の67％の株式買収の契約式に立ち会った。「外国人の嫁」を盛大に迎えたこの契約式の数日前には、老舗の家電メーカーとして有名だった東芝が子会社「東芝ライフスタイル」の80.1％の株式を「美的集団」（ミデア・グループ）に売却するとのニュースがあった。
この二つのニュースは、中国企業の「走出去」（海外進出）という巨大な事業の幕開けとなった。2001年に中国が正式に「走出去」戦略を打ち出してから今まで、中国企業の海外進出は飛躍的にレベルアップし、世界のビジネスの大舞台での海外の同業者との競争も日増しに激しさを増している。
海外進出は「4.0時代」へ
北京の弁護士の劉一星さんはニューヨークに出張した際、空いた時間に映画館チェーンの「AMC」でハリウッド映画の「バットマンvsスーパーマン」を見たという。国際M＆Aの法律相談に従事する劉さんはもちろん、この米国最大の映画館チェーンがとっくに中国企業によって買収されていることを知っていた。
中国企業の「走出去（海外進出）」はこの15年、3段階の発展を経て、「4.0時代」に突入しようとしている。
「走出去」戦略の誕生当初は、中国企業がまだ何も知らなかった「1.0時代」と言える。模索の旅は多くが分散的で自発的なものであり、主に海外に販売ネットワークを設立し、基本的な国際商品貿易に従事するという形だった。
先頭に立って海外進出に乗り出したのは江蘇・浙江・広東の企業だった。温州の靴メーカー「奥康集団」もその中にいた。2001年、奥康はパリに最初の海外専売店を開設し、その後、米国やイタリア、スペインなどにも進出し、中国の革靴を世界各地で販売した。
大量の国有企業が海外に目を向ける中、中国企業の「走出去」は「2.0時代」を迎えた。自信を付け始めたこの段階では、大型の国有企業が主に、海外の実物資産、とりわけ石油や鉱物資源などの自然資源をターゲットとした取り組みを進め、エンジニアリング系企業が海外で大量のインフラ建設プロジェクトに参加した。
この段階では、中国石油天然気が50億ドルでカザフスタンの油田を買収したり、五鉱集団と中国アルミニウムがオーストラリアの鉱山を買収したりしたほか、中国水利水電工程総公司や中国鉄建、中国土木工程集団公司などの中国の名の付いた国有企業による海外での大型工事の受注やプロジェクト援助も行われた。
「3.0時代」に入ると、民間メーカーの発展が最大の焦点となった。これらの企業は、直接投資を通じて工場を設立したり、国外の関連企業や総合設備を買収したりして、現地の労働者を雇用し、中国の製造拠点を海外に移し、中国ブランドを形成していった。
この段階では、レノボによる12億5千万ドルでのIBMのパソコン業務買収、TCLによるトムソンのテレビ業務とアルカテル・ルーセントの携帯電話業務の買収、吉利汽車による18億ドルでのボルボ・カーズの買収など、民間メーカーが自信をもって業界最高の舞台へと踊り出ていった。
中国企業の「走出去」は現在、「4.0時代」へと突入している。民間企業が主力となり、投資分野が多元化し、投資の戦略性が高まり、投資方向は産業チェーンの再編からグローバルな資産配置へと転換し、世界における価値チェーンの中で着実な向上を実現している。
自信にあふれた「4.0時代」において、中国企業は国際市場で際立った成果を収めつつある。中国化工集団は、世界最大の農薬会社であるスイスのシンジェンタの430億ドルでの買収案を進め、世界市場の再編をはかっている。万達は35億ドルで米国のレジェンダリー・ピクチャーズを買収し、トップレベルの映画製作事業の展開を目論んでいる。復星集団は9億6千万ユーロでフランスの有名なリゾートブランドのクラブメッドを買収した。安邦保険は19億5千万ドルでニューヨークのランドマークと言えるホテル「ウォルドルフ・アストリア」を買収した。資本投資は世界各地に及んでいる。
中国商務部のデータによると、中国の対外非金融類直接投資は昨年、1180億2千万ドルに達し、前年を14.7％上回った。中国の対外直接投資は連続13年にわたって成長し、昨年末までにストックで初めて1兆ドル台を突破した。
「中国網日本語版（チャイナネット）」 2016年4月13日
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