中国の市場経済の発展は目覚ましく、世界的にも認められつつある。現在、世界の80を超える国・地域が中国の市場経済国地位(MES)を認めている。
李稲葵主任は労働力の供給に触れ、中国で2014年の大学就学率が約38%と非常に先進的な水準に達する上、16歳以上の成人文盲率は4%以下でインドの30%を大幅に下回ると指摘した。
また、中国は新たなサイクルで高水準の対外開放を進めており、「一帯一路」が大きなハイライトとなっている。2015年に中国企業が「一帯一路」関連国に行った直接投資額は前年比18.2%増の148億米ドル、海外請負プロジェクトの新規契約額は7.4%増の926億米ドルだった。
「3つのポジティブな条件」が備わった中国経済の先行きはどうなるのか?これについて李稲葵主任は、「現在の経済はU字調整の時期にあたり、底打ちすれば緩やかな回復へ向かうと考えている。中国経済は3つのポジティブな条件を満たすなか、他国の成長過程を参考にするとGDP成長率は7%前後が可能だが、中国の現状はこれより低い水準にとどまっているため、成長率の上昇余地と潜在力は非常に大きい」と説明した。