科学者らは、「核融合は海水から水素の同位体である重水素と三重水素(トリチウム)を抽出して利用するため、汚染物質をもたらすことはない。1リットルの海水からガソリン300リットルに相当するエネルギーを取り出せるとされており、現在の世界のエネルギー消費量と地球上にある海水の量から計算すると、全人類で使うエネルギーの数億年分を核融合でまかなえることになる」としている。
国際宇宙ステーションや、欧州補給機、ヒトゲノムといった研究プロジェクトと同様、この分野の研究も国際的な科学技術協力プロジェクトとなっている。米、仏などは1980年代半ばから、ITER計画を立ち上げ、人類にクリーンなエネルギーを提供することを目的に、世界初の核融合実験炉の建設を目指してきた。中国は2003年からITER計画に参加、日欧露米韓中印の参加7極のうちの1極で、ITER計画に関わる総資金の9%を負担し、知的財産権を他極と共有できる。