北京市場の落ち込みはヨーカドーも早くから意識しており、対策措置を採ってきた。2014年5月、中国駐在が17年になるイトーヨーカドー成都公司の総経理、今井誠氏を北京ヨーカドー総経理に任命した。同時に営業本部長、管理本部長などの要職も成都から任命した。成都の幹部が北京に移ってきたことを、業界筋は「北京の火消し」と呼んだ。
今井誠氏はかつて、「成都ヨーカドーの成功要因は中高所得層にターゲットを絞ったことにある」と述べている。しかし北京の店舗はポジショニングが混乱している。生鮮食品スーパーは高級だが、その他のフロアは大衆向けになっている。「ヨーカドーは、どの層のニーズを掴みたいのか分かりにくい」と業界筋は言う。