このほど人民大学経済学研究所主催で行われた「中国マクロ経済フォーラム10周年」記念大会で、多くのエコノミストが「この先長期間、世界経済は低回復、低成長、デフレ、年齢別人口の不均衡、低金利、高負債の状況が続く」との一致した見方を示した。 全世界のマクロ経済情勢の新たな特徴に対しては「各国が心から協力して、課題に対処する必要がある」と指摘。中国経済に関しては「供給側改革を通じて歴史的なチャンスをつかみ、世界経済のけん引役を引き続きつとめることが求められている」との認識が示された。
【世界経済は低迷とマイナス金利が続く】 中国社会科学院の李揚・元副院長は「IMFは4月に世界経済見通しを下方修正した。経済予測の引き下げが続くことが“新常態”となっている」と発言。さらに「先進国が金融緩和を最大限まで行っており、その限界効用がなくなってきている。その一方、政府の倒産や政府債務の上限問題が浮上してきている」と分析した。 世界経済の長期低迷の要因としては「技術進歩の停滞、人口構成の悪化、かつてない実質的なマイナス金利の時代への突入」を指摘。マイナス金利については「貯蓄と投資が一致しておらず、資本の収益率が低下していることを物語っている」と説明した。