「以前ならば郊外のリゾート村と業務提携する際に、保証金を支払わなくても直接提携できた。しかも我々は彼らの最大の観光客源だった。ところが某OTA大手が進出し、観光地に直接100万元を支払い、その後数ヶ月に渡るすべての週末の部屋を確保した。こうされてはどうしようもない、大手と資本で争うことは出来ない」
ベンチャー企業は大手の資金力に抵抗できない。まだ草創期にあった「周末去哪玩」は、自社の独特な競争力を手にしていなかった。週末旅行商品は低利益・低頻度で、サービスも基準化されておらず、規模化が難しい。商品を販売するためには過酷な価格戦に加わらなければならない。これは「周末去哪玩」が利益を創出しがたいことを意味する。
2015年の年中より、資本の厳冬が突如訪れた。融資を受けていた「周末去哪玩」は利益を創出せず、競争の壁を形成しないうちに大手から圧力を受け、反撃する力もなかった。
今後も先行き不透明
大手の進出によりオンライン旅行創業のチャンスとなる時期が短縮された。しかし盲目的に売上を求め、ビジネスモデルの構築を無視し、資本注入に依存することで、腰を据えて商品開発に取り組む気風がなくなり、これらのベンチャー企業の生存の基盤が損なわれる。
張氏は週末旅行を振り返り、「旅行事業は辛すぎる」と感嘆を漏らした。張氏は2014年の創業ブームと昨年からの倒産ブームを経験し、ひとまずこの業界を離れることを決定した。しかし張氏はオンライン旅行に創業の空間がないとは考えておらず、「未来のチャンスはオフラインにあると思う。インターネット+の発想によりオンライン資源を調整し、業務フローを改善し効率を高めるのだ」と話した。
資本の厳冬により、「我趣旅行網」の黄志文CEOはさらに冷静になっている。黄氏は現在、粗利、キャッシュフロー、経営効率への重視を強めている。同社のモデルチェンジは現在進行中で、中国唯一の目的地合流ツアーB2Bサイト「66号」を先ほど開設した。今年よりオンライン旅行会社による資金調達の情報が伝わっているが、ベンチャーキャピタルがB2B市場への投資意欲を持っていることが分かる。
「一つの入口になるというチャンスは失われたと思う。チャンスはより深いレベルにある。旅行には多くの低効率の過程がある。旅行の全産業チェーンにおける創業チャンスはまだ非常に多い。例えば目的地のサービスの効率、海外旅行の効率、効率もしくは商品の改善など、多くのチャンスがある」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年7月12日